ハーブヨガのクラスでは姿勢と対話する力を鍛えたら次に行うのが言霊(ことだま)ワークとなります。
では、この言霊ワークとはどんな習慣でしょうか、30秒ほど考えてみましょう。
言霊ワークとは言葉のエネルギーを知り、言葉に細心の意識を払う習慣です。
言霊ワークでは言葉という私達の行動に大きく影響する側面をコントロールしていくのです。
私達の潜在意識の中では尋常ではない情報が常に行き交っています。
いわば言葉の嵐の中に私達は存在しています。
そこから抜けるための方法論が言霊ワークなのです。
「自分の意思を伝える」「現状を描写する」「考えをまとめる」などなど、言葉には様々な働きがありますよね。
その中でも、言葉は潜在意識と対話するのに特に効率的なのです。
あなたが最近感じているイライラの原因について考えるとします。
ここで、もしも言葉を使わずに、イメージだけで考えるとしたら大変なことになります。
最初、イライラの原因として「私のパートナーが無愛想なのが嫌なのだ」と、脳裏に親の顔が浮かんできます。
しかし、次の瞬間、「私の親はいつも愚痴を言うから、それが遺伝したのかもしれない」とその時の光景が浮かんできます。
さらに、「そういえば、最近はずっと働き詰めで休んでいない」とまた違うイメージが浮かんできて、前のイメージを置き換えてしまうのです。
イメージだけで考えるとすると、脳裏に浮かんでは消えて行くイメージを追っていくだけで精一杯になってしまいます。
その結果、あなたは具体的に自分自身のことを把握することができず、自分が何ものなのかわからないまま過ごすことになるのです。
では、もしも、この時にあなたがそれぞれの要素を紙とペンを使って書き留めたらどうでしょうか?
「パートナーの無愛想」「親の愚痴の記憶」「ストレスフルな労働環境」といった言葉をどんどん生まれてくるでしょう。
書き出していっても、書き言葉ですから消えていく心配はありません。
これなら、自分が何に対して怒りを感じるのかを整理して把握できるのです。
そこで、ハーブヨガクラスの言霊ワークでは紙とペンを用意してもらってワークシートに臨んでいただくのです。
言葉を書き出すというプロセスを通じて、より効率的に自分自身を知ることができるようになるのです。
例えば、自分がその怒りを自分の選択の結果として得てきたのか、それとも他者との感応や教育や環境によって引き継いでいるのかが分かるようになります。
ただし、言霊ワークは一回行なっただけでは自分のことを知ることは殆どできません。
言霊ワークにおいて大事なのはあなたが書いた内容だけではありません。
むしろ、その質問が大事です。
おなじ質問であっても、何度も何度も自分自身に問いかけることが重要です。
時間を置いて同じワークに取り組んでみるなど、過去の記録と対照させることによって初めて自分自身のことがわかってくるという部分があります。
それが言霊ワークの面白さですね。
言霊ワークを通じて、あなたは自分自身には実体が殆どない、ということを知って愕然とするかもしれません。
例えば、好きか嫌いかという嗜好についても他者からの影響がとても大きいのです。
嗜好というものは自分の選択の結果だと多くの人が思っていますが、腹の底から自分自身が望んでいることを選択しているわけではありません。
多くの場合、他者からの押し付けや、或いは他者から愛情を引き出すための手段として嗜好が形成されていくのです。
国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。
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