前回も解説したように、人生を向上させるためのセラピーやメソッドというものは、その方法が生まれた土地の身体観や文化を大きく反映するものです。
その意味で外国の手法をそのまま日本に取り入れるのは無理があると言えるのです。
これは逆も同じことで、日本の方法をそのまま海外に持ち出しても効果がでないこともままあります。
そのためハーブヨガ・ハーブボールSPAセラピーで扱うハーブボールの材料はその土地で取れたものを、その土地で使うのが原則です。
つまり地産地消を心がけるということです。
もしくは、その文化圏の人々がもともとなじみのあるハーブを用いることを大事にします。
これに加えて、日本には四季があるので、これにプラスして、「その季節に」という要素も入るわけですね。
なぜ自分の文化圏になじみのあるハーブをまずは重視するかというと、自分自身の「今、ここ」をしっかり意識させてくれるからです。
ハーブを通じて、今の私を見て、今の世界を見るわけですね。
この日常世界という自分の足元をしっかり見つめる事ができないでいると、どうしても軸のないふらふらしたセラピーやヨガになってしまうのです。
あなたが常に接している日常的な自然に感謝して恩恵を受けることは、ハーブヨガ・ハーブボールSPAセラピーの実践者にとって基本的な姿勢です。
日本人であれば、米ぬかやゴマを主体にしたハーブボールで最初は練習するのがよいでしょう。
自分のアイデンティティに十分感謝して、ハーブというものの醍醐味を知ることができます。
このプロセスをすっ飛ばして、どこか遠い外国の非日常的な自然に感謝するというのは、どこかその人のコンプレックスなりを反映したいびつなハーブとの向き合い方であるように思います。
自分の身近な世界のハーブでは嫌だというのは、その背景には『今、私が存在している世界』=『日常生活』の否定が行われているわけです。
それでは「今、ここ」を子供のように祝福するハーブヨガのコンセプトから外れていると言えるのです。
ラベンダーやユーカリやマジョラムといったお洒落な名前のハーブは魅力的に目に映ります。
しかし、生姜や大根や蜜柑や牛蒡の本当の価値を知る事が、あなた自身の基礎を固めてくれることになるのです。
あなたの親たちと、あなたはその中で生まれ育ったのですから。
このように地域で撮れたハーブを活用することによって、自分と世界とのつながりがただのコンセプトではなく実感として感じられるようになります。
これもまたハーブボールの持つ大きな効用であるといえるのではないでしょうか。
例えば、あなたの庭の軒先でとれたビワの木の葉っぱを使ってハーブボールを作ってみましょう。
あなたが身近なものがハーブになると気付いた瞬間、今までは何気ない存在だったものが、がぜん、世界に対する生命力を発揮し、輝きだすのです。
これは私たちが東条百合子先生の自然療法の知恵から学んだことでもあります。
そして、あなたは自分は決して一人で生きているのではなく、大事な人々、自然に支えられ生活できていることを再認識できるようになるでしょう。
この地産地消という実践があって始めて、ハーブヨガ・ハーブボールSPAセラピーは世界中のどこでも実行できるものになるのです。
国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。
“地産地消のハーブを用いる理由【ハーブボールマイスター講座 第7回】” への1件のフィードバック