世界と対話し、触れ合うための習慣

世界と対話する習慣とは?

次に紹介したい生活習慣が、「世界との対話」です。

これは簡単にいえば、自然と向き合う習慣です。

例えば、植物を育てることや、オーガニックハーブを使うというものですね。

これはすでに実践されている人もいるかも知れません。

これはあなたの体へプラスの影響をもたらすだけではなく、あなたの意識の中にある「環境に配慮した私でありたい」という思考を強化して、具体的な形で表明することを実現してくれる習慣でもあるのです。

 

今の時代、オーガニックであることや環境にやさしいことは良くも悪くもブランドです。

多くの場合、オーガニックとか、有機とか聞くと、ポジティブな印象を受けるでしょう。

しかし、それを消費するだけだとしたらそれはハーブヨガ的ではないと私達は考えます。

オーガニックなものを選ぶことで、地球環境が美しくなり、それに繋がっている私の体も美しくなる、という感覚でオーガニックのものを選んでほしいと思います。

或いは、それを作っている人が健康になるという部分があってオーガニックなものを選ぶという姿勢でもあります。

もし、あなたが体質改善をするとして、自分の健康のためだけにオーガニックなものを選ぶのだとしたら、それは結局の所、長期的な体質改善をもたらさないと私達は考えます。

なぜかというと、自分が他者と繋がっているという意識があって初めて、本当のあなたというものがあるからです。

世界から切り離された個人というのは不自然なものであって、自然治癒力が継続的に発動することはないのです。

あなたが自然とのつながりを考えて、社会とのつながりを考えて、身近な人間関係も考えて・・・と考えていった結果として、オーガニックなものを選んだり、植物を育てたりした時、そこには一つの大きな円(エコシステム)が生まれます。

上図:自然界での窒素の循環図:大気の窒素(N)が様々な生物に取り込まれ、やがて大気へと戻っていく様子がわかる

 

私たち生き物はこういった自然の循環の中で生かされていることを知るためにも、この世界との対話で紹介しているような習慣の実践が必要なのです。

ただ自分自身が美しい花に囲まれていたいという理由だけで植物を育てていると、虫がいたら化学農薬をすぐにかけてしまうかもしれません。

しかし、それが蓄積すると土壌汚染につながり、下水を通じて世界中に広がっていくことになります。

自分が自然の美しさを享受したいと思う気持ちが、逆に自然を破壊することにつながるのです。

ハーブヨガと自然

日本では水質浄化に多大な税金をかけて飲める水を作っています。

しかし、今度の経済は少子化のためにどう考えても財政は縮小傾向にありますから、下水事業も今後は何らかの改革を求められる用になるでしょう。

最悪の場合は、下水だけではなくゴミなども処理が追いつかなくなることです。

実際に財政破綻した北海道の夕張市ではゴミがそのまま放置されることが起きています。

今後はゴミの回収可能量がより少なくなることもあり得ますし、世帯ごとに排出量制限が課されるようになるでしょう。

これはゴミを焼却処理するお金と同じかそれ以上に、ゴミ回収のための人件費や車両にお金がかかっているからです。

だったら、経済成長をするべきという人もいるかもしれませんが、燃やす以前に考えるべきこともあるはずです。

まずは一人一人がゴミを減らすことを本気で考えて、実践する時期に入っているのです。

これはメディアに煽られて「このオーガニックハーブがいい」と消費するだけで解決できることではないのです。

 

余談ですが、テレビでも園芸関係の番組を行っているものがありますが、その中で詳しくは雑誌を読もう!と紹介されます。

そこで、趣味の園芸の雑誌を読んでみると、バンバン化学農薬や化学肥料の広告が出ているのです。

バラはこの農薬を使って、この化学肥料を使ってということが前提になっているのです。

アジサイであっても、野菜であっても同じように化学肥料や農薬を使うことを前提にしているのです。

このように植物を育てるといっても地球環境の為ではなくて、「美しいもの」「美味しいもの」の消費が目的になっているのです。

あなたの土壌や地下水が汚れても構わない、今は無視しましょうという発想です。

だから、自然とつながるといっても、その裏にどんなことが起きているかを見定めなければなりません。

それができなければ自然が好きで植物を育てながら、環境破壊に加担しているという本末転倒な状況になりかねないのです。

私たちがどんな行動をとっても、すぐに社会構造の中に絡め取られてしまいがちだからこそ、細心の注意が必要なのです。

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

第3章 ハーブヨガセラピーの実践 Tune-inの習慣

ハーブヨガセラピーはこれまでに挙げた多種多様な嵐から解放されるために存在します。

そのためにTune-in、姿勢美法、言霊ワーク、坐法、Seeding、三大欲求との対話、他者との対話、世界との対話という習慣があります。

Tune-inの習慣

この内、まずはTune-inについて解説します。

Tune-inとは一言で言うと、自然と一体化して意志が通じ合うという習慣です。

自分を含む森羅万象と対話することから始まります。

Tune-inというのはハーブヨガのメソッドの中で最も基本的で根幹となる方法論となりますので、これだけは実践できるようにしましょう。

Tune-inを別の言葉で表現すると、子どもの心で世界と対話する習慣とも言えます。

子供になるということはこだわりから離れるということです。

つまり、先ほどまで解説していた親や周囲の人間やあるいは多種多様なメディア、社会や歴史が押し付けてくる価値観や感情や感覚から一旦離れようとする姿勢なのです。

あなたはもしかすると、これまでの人生の中で自由に生きてきたと自負しているかもしれません。

しかし、あなたを取り巻く95%の部分を全部吟味してみたら、誰かの意図に沿って生きているかもしれないのです。

あなたに影響を与えているのは、あなたの内側にいる親だけではありません。

社会全体からの圧迫や日常的に目にするネガティブなニュースかもしれません。

私達は目の前が見えないほど、がんじがらめです。

これをブッダは無明と言いました。

しかし、そこから自由になれる方法がTune-inを行なって、子どもの心になることだとハーブヨガでは考えます。

2~3歳ぐらいまでの子どもというのは一切空気を読まずに泣いたり、わめいたり、おもらししたりします。

自分の感覚と感情に正直です。

誰かの顔色を伺わずに、自分の機嫌だけに関心を払っています。

ハーブヨガのTune-inを通じて、この3歳児ぐらいまでの「わーっ」と叫ぶような自分の叫びに出会うということが、結局の所、世界が平和になるために必要な習慣なのです。

どうして、Tune-inを通じて子供になる習慣を持つと平和に近づくのでしょうか?

まず、普段の私達は砂嵐の中にいますから、何が好きで、何が嫌いで、何を目指していて、何を目指していないかわからない状態にいます。

そんな状態では目隠しをして歩いているようなものですから、右に行っても誰かにぶつかり、左に行っても誰かにぶつかってしまいます。

こんなことをしているとあちこちで衝突の火花が散りはじめ、戦争状態に突入してしまうのです。

だからこそ、自分が目隠しをしていることに気づき、目隠しを外す必要があります。

それがTune-inの習慣なのです。

Tune-inとは遊びのプロセス

ハーブヨガクラスのTune-inでは「どうして、絵を描くんだろう?」「どうして、ハーブの香りをかぐんだろう?」という疑問が湧いてくると思います。

この理由について今から30秒考えてみてください。

ハーブの絵を描いたり、香りを感じたりするプロセスは私たちの五感を鍛えるために行なっています。

でも、これは鉄アレイを持って筋肉を鍛えるような、そういうトレーニングじゃありません。

むしろ、あなたがいつの間にか持ち上げていた重い鉄アレイを手放すことがTune-inなのです。

第二章でも説明しましたが、私たちは無意識に何らかのこだわりを形成しながら生きています。

その状況が鉄アレイのように重たくて自分を縛るものになっているのにもかかわらず、普通の人は相当大きなショックがなければ気づくことはできません。

そうなると、場合によっては体への支障が出てきて、首が回らないとか、肩が異常に痛いとかそんな事態を引き起こします。

この時にいくら肩を揉んでも、点穴をしても、湿布を貼っても焼け石に水です。

 

一番大事なのは、あなたが持っている鉄アレイを外してあげることなのです。

そのためにハーブヨガでは自然と向き合うTune-inを通じて、子供の心に戻る練習をしていくのです。

「子供の心に戻る」と聞くと、なんだかスピリチュアルな感じがしますよね。

あなたはとっても難しいことのように思うかもしれません。

しかし、断言してもいいですがTune-inは全ての人ができます。

なぜかというと、子供に戻るための遊びのプロセスを行えばいいからです。

これがもし、100キロぐらいの重い鉄アレイを持ちあげる修行をしましょうというようなトレーニングだったとすると、全ての人が実践できることはないでしょう。

しかし、誰でも子供の心を持っているので、その時代に行っていたプロセス、つまり、遊びに臨むだけでTune-inは可能になるのです。

昔、映画でお爺さんから若返っていき、しまいには赤ちゃんになるという「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」というものがありました。

そんなことは現実には起こりません。

誰でも赤ちゃんから大人になっていきます。

その意味で、子供の心というのは私達が必ず通ってきた道なのです。

だからこそ、つねに立ち返ることができるのです。

 

五感を通じて自然と対話するのはなぜ?

そして、どうして五感で自然を感じていくのかというと、五感を研ぎ澄ませることこそが子供に戻る第一歩だからです。

ご存知の通り、子供というのは非常に鋭い五感を持っています。

例えば、赤ちゃんの離乳食なんかは薄味です。

それは感覚が敏感すぎて、味が濃すぎるものを食べることができないからです

あるいは、赤ちゃんは非常にぬるい温度のお風呂にしか入れません。

これも肌の感覚が鋭敏だからです。

しかし、大人になるにつれて、その五感はだんだん麻痺していきます。

これを感覚の老化といいます。

例えば、高齢化すると舌の味覚の数は減り、濃い味をし好しますし、高齢化すると皮膚の感覚が鈍化し、高い温度のお風呂を好むようになるのです。

この感覚の老化現象は社会に出始めるころから起き始めます。

今の日本ですと早い人では20歳代半ばには感覚が老化していくのです。

これは先天的なものによって勝手に起こったというのではありません。

驚くべきことに、多くの人が自ら選んで感覚を老化させているのです。

これはどうしてかというと、現代人の殆どにとって、自分の感覚を麻痺させることこそが、社会に適応することだからです。

感覚をマヒさせることができなければ生きていけないような社会が出来上がっているということです。

つまり、感覚を麻痺させることで自分を守ることができるようになるというわけなんですね。

しかし、ある程度まで人生が進むと、人は自分は何故この世界に生まれてきたのかを考え始めるように人間の精神は設計されています。

これを西洋占星術ではサターンリターンと呼び、土星が自分の生まれた時にあった位置に戻ることによっておこると言います。

その転機は28歳前後におきます。

親や身近な人の死や疾病、或いは離別や社会的な失敗、あるいは独立や起業等を通じて、自分の人生について考え始めるのです。

その時に多くの人々が感じるのは、自分がなにを感じているのか分からない、という感覚の老化への空虚感です。

これは自分が身を守るために身につけてきた鎧によって身動きが取れなくなっている状態なのです。

シャツを何枚も重ね着して、着膨れして、手首足首が動かなくなっている状態です。

Tシャツを重ね着すると身動きがとれなくなるのは笑い話ではなくて、ともすれば圧迫によって死んでしまうことすらあります。

でも、そういう状態になっているのが現代の大人なのです。

だからこそ、Tune-inを行って鈍り切った感覚を取り戻す必要があるのです。

指導者が「馬鹿」になることの大切さ

Tune-inを行なうことは、

  • 「大人はこうじゃなきゃいけない」
  • 「子供はこうじゃなきゃいけない」
  • 「父親はこうじゃなくちゃいけない」
  • 「母親はこうじゃなくちゃいけない」
  • 「男はこうじゃなきゃいけない」
  • 「女はこうじゃなきゃいけない」

といったような、拘りでガチガチになっている自分自身に対して、子どもに戻っていいんだよと許しを与えることでもあります。

この状態を私達は「馬鹿になる」と呼びます。

意識的に自分の常識を捨てた状態=馬鹿になるのがTune-inでもあるのです。

ハーブヨガのクラスでは絵を描くTune-inや自分自身の言葉を探すワークである言霊ワークを行なって何も浮かばない、絵も描けないという人も現れます。

頻繁に現れることもあります。

しかし、諦めてはいけません。

 

何回か繰り返すうちにだんだんと描けるようになりますし、最終的には素直な絵と文字で自分自身を表現できるようになります。

先入観という鎧の質や量は人によって千差万別です。

しかし、個人差はありますが、とにかく観察して描き、シェアの場に臨むことで溶けていきます。

或いは、香りを感じて、自分の内側に浮かんでくるイメージに身を委ねるのです。

その結果、鎧は少しずつ溶け、剥がれていくのです。

もし、あなたがハーブヨガの指導者であるなら、あなたが率先してTune-inを行いましょう。

例えば、あなたが幼稚園児になったつもりで夢中になって描いていたら、生徒さんはどう思うでしょうか?

「あ~、ここなら良い格好をしなくても良いんだ。馬鹿になっていいんだ。子どもに戻っていいんだ」と感じる空気感を出せるようになるのです。

その結果、生徒さんも鎧を少しずつ外していきます。

 

もし、あなたのもとに絵を描けない生徒さんや言葉で自分を表現できない生徒さんばかりが現れるときには、あなた自身の肩に力が入り、何らかの鎧をつけているのかもしれません。

類は友を呼ぶという現象ですね。

この場合、「あなた、ちゃんと上手に描いているの?」というようなちょっと高圧的な空気感を出しているかもしれません。

そんな時には「私は一体、何にこだわっているのだろうか」と自分自身をチェックしてみましょう。

そして、自分自身のためにTune-inのワークを実践するようにして下さい。

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

子どもに戻れるハーブヨガの基本:香りのTune-inの最新映像を公開中!

対象とお友達になる方法。
それがハーブヨガの基本の姿勢だと思っています。
その基本のワークがTune-inという瞑想法なのです。
すると、五感が鋭くなり、第6感ともいえるチャネルまで活性化するのを感じられます。
笑い話のようですが、ハーブや花、植物、ありとあらゆるものと話ができるようになります。
初めは、もちろん、そんな気がする、で十分です。
でも、Tune-inをすれば、どんなものもかけがえのないお友達になってしまいます。
すると、毎日が本当に楽しくなるのです。
ハーブヨガはその名の通り、様々なハーブを活用していく中で、心と身体と関係性の安定を目指す方法(=ヨガ)です。
ハーブヨガクラスではハーブを手の平において、じっくりとその触感を感じ、香りをゆっくりと感じるというワークがあります。
これを香りのTune-inと呼んでいます。
Tune-inとは『波につながる』という意味です。
つまり、ハーブの持っている繊細な波につながるのがこのワークの主旨なのです。
私たちは日常生活を忙しく生きています。
そのため、どうしても自分が今何を感じているか無視しがちです。
『少しお腹が痛いけど、頑張ろう』
『眠いけれど、やりぬこう』
どんな人も多かれ少なかれ、自分の感覚を騙し騙し生活しています。
これは私たちであっても例外ではありません。
しかし、感覚を騙し続けても、体も心も関係性も正直ですから、いつかはほころびが現れます。
私たちは自分の感覚への嘘を払拭するチャンスが必要なのです。
そんな時に行うのが、この香りのTune-inのワークです。
対象とじっくりと向き合って、その香りだけに集中するのです。
すると、自分がとても表面的な香りの感じ方しかできていなかったのだと気付かされます。
しかも、実際に
「このハーブの香りをTune-inしてみよう」
と目を軽く閉じた瞬間から、対象からおおきな波のような香りが押し寄せてくるのがわかるのです。
あたかも、「私はここにいるのよ!」と大声で話しかけられているように。
Tune-inを成功させるためには、社会的な束縛や制約から離れた状態、つまり子供の状態になる必要があります。
頭の中で「あーでもない」「こーでもない」と考えている状態では、対象を色眼鏡で見てしまい、自分の都合の良い方向からしか感じられないからです。
例えば、生姜と言うものがあったとき、私たちはどうしても生姜の持っている薬効に注目してしまうかもしれません。
しかし、 香りにTune-inをするときは、そのハーブがどんな効能をもっているか、どんな成分を持っているかという視点は一切離れます。
ただただゆっくりと座り、ただただゆっくりと感じるだけです。
そう、あたかも、対象が小さな男の子や女の子であるかのように接するだけです。

この『考えない練習 』または『子供に戻る練習』をするのがTune-inであるとも言えるのです。
その結果、香りを通じて、自分の体がどのように反応するかを観察することができます。
そして、自分の中にそのハーブが存在していることに気づき、自分がそのハーブであることに気づくでしょう。
花を観察しているのではなく、花になっているのです。

現在、ハーブヨガの英語化をどんどん勧めていいます!
今回は香りのTune-inの英語版です。
こちらも無償にて公開しています。
コンピュータグラフィックスを用いて、ハーブヨガの観想をお伝えしています。
映像は花を使ったTune-inですが、 用いるのはどんなハーブでも対応可能です。
是非、ハーブヨガの世界を楽しんで頂ければと思います。
https://youtu.be/6K8zKzUyvqs
国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

【Tune-in】ヨガ指導者やセラピストにこそ自然の観察が必須である理由

ヨガ指導者やセラピストにこそ自然の観察が必須である理由

人間の情報は大半が視覚から得られるといわれています。

だからこそ、観察力は指導力の要であるともいえるのです。

しかし、私たちは常に思い込みをもって世界に臨んでいるため、生徒さん・クライアントさんのあるがままを見ることがとても難しいのです。

ともすれば、自分自身の過去に照らし合わせたり、一般的な社会常識を持ち出してみたりなど、生徒さん・クライアントさんを色眼鏡で見てしまいます。

それでは、そもそものメソッド自体も揺らいでしまいますし、生徒さん・クライアントさんに真摯な姿勢で向き合っているとは言えないのです。

「それでは生徒さん・クライアントさんをしっかり観察すればいいじゃないか」と思えはすれど、人間というものはとても強い存在感を持っていますので、なかなか自分自身の感情を動かさずに冷静に観察することは至難のわざなのです。

では、どうすればいいのか?

その答えは、私たちが子供のころに行っていた、自然の観察にありました。

自然に向き合って観察しているとき、私たちは自然から評価されたり、褒められたりしたいとは考えていません。

ただただ、その面白さに夢中になっているだけです。

だからこそ、大人はなかなか気づかないような微妙な変化や面白さを発見することができるのです。

この「夢中」の姿勢こそが、本当は生徒さん・クライアントさんにも発揮されるべき観察力であるともいえるのです。

だからこそ、ハーブヨガ・ハーブボールSPAセラピーではTune-inの姿勢はすべてのセラピストにおいてマストの能力であると伝えています。

そして、私たちは自然の美しさこそに気づくことは、セラピストに大きな示唆を与えます。

なぜかというと、自然の持つ美しさには無理がないからです。

そして、自然に生まれたものは、燃え上がるように育ち、勢力を伸ばしたら、やがては朽ちていき、新しいものが生み出されていきます。

例えば、もみじの新緑が芽生え、きれいな紅葉を見せ、冬の寒々しい空に枝を伸ばしている様子を想像しましょう。

三者三様に美しさをたたえています。

発生・発達・破壊の三つの過程すべてで、美というのものは生まれるからです。

上図:サンドロ・ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』 1486年頃

自然の観察法・対話法としてのTune-inのステップ

自然と対話するにあたって、あなたは全てを把握してやろうなんて思う必要はありません。

あなた自身が「自然」の一部であることを思い出して、肩ひじを張らず、遊ぶように対象に向かいましょう。

書く前に最初にごく簡単な瞑想を行います。

  1. 楽な姿勢で丹田呼吸法をします。まだ慣れていなくて苦しければ、腹式呼吸を行います。
  2. 自分の左手の手首を持って、静かに脈を感じます。
  3. ドクッドクッとその脈を感じながら、静かに呼吸を続けます。
  4. 次第に体は温かくなります。自分のみの周りに温かい層ができていることを感じます。
  5. この段階までできたら、あなたは自然の内側にいることを体感できています。

次に対象の全体をよく観てください。どんな様子ですか?

言葉が内側から湧き上がってくるのを感じてください。

そして、表してください。強そう?弱そう?硬そう?尖っている?丸い?悲しい?楽しそう?神々しい?雄大?女性らしい?

色んな言葉が頭の中を横切るはずです。絵を描く前にそれらをメモするのもいいでしょう。

五感を言葉で表現できるようになることはとても重要です。

(ここから先は対象を必要に応じて、触ってください。最初に出た言葉とどのように違うのかも考えましょう。)

 

描くTune-inのステップ

  • 対象の軸を描いてください。外側のラインではなく、内側のラインを描いてください。曲がっていますか?直線ですか?折れていますか?曲線ですか?
  • 対象の周りに肉をつけてください。
  • 対象の中心点を探してください。バランスを保っている場所はどこにありますか?
  • 対象の美しいポイントはどこでしょうか?その理由は?
  • 対象のいびつさはどこにあるでしょうか?その味わいは?
  • 対照を見て思い出す人物はいるでしょうか?
  • 絵の周りに文字で感じたこと、思い出したことを自由に描き出していきましょう。

 

Tune-inを鍛える練習問題

01:木を観察し、スケッチを作成しましょう。根っこはどのようになっているかも同様に想像してください。余白に特徴を書き入れてください。

02:野菜を観察して、スケッチを作成しましょう。余白に特徴を書き入れてください。

03:フルーツを観察し、スケッチを作成しましょう。余白に特徴を書き入れてください。

04:街へ出て、男性を観察して、そのイラストを描いてください。その人の視線、姿勢なども再現してください。余白に特徴を書き入れてください。

05:街へ出て、女性を観察して、そのイラストを描いてください。その人の視線、姿勢なども再現してください。余白に特徴を書き入れてください。

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

【アートと瞑想】ハーブヨガではどうしてクラスで絵を描くの?(描くTune in)

Tune-inとは子どもに戻ること

ハーブヨガのクラスでは毎回、クラスの一番最初にTune inと呼ばれる作業を行います。

これは、ハーブヨガを行うため心と体を解放して、自分自身について気付きを得る環境を整えるための方法です。

簡単に言えば、子供に戻る作業を行うのがこのTune-inなのです。

私たちは日常生活で様々なストレスにさらされています。

心の中では「あれをしなきゃ」「これをしなきゃ」と色んなことに焦っています。

こんな時に、いきなりヨガを行おうとしても、日常生活を引きずっている限り効果は見込めません。

そこで、Tune-inという子供に戻るメソッドを行うことで、日常生活の鎖を外し、武器を置き、鎧を脱ぎ捨てていきます。

いわば、ハーブヨガという茶室に入るための作法がTune-inであるともいえるのです。

 

Tune inがうまく出来るようになると、これまで無視していた心身の痛みに目を向け、それを癒し、自分を元気付けることができるようになります。

それは、心身の波を観察するのに適したマインドフルな状態(マインドフルネス)をつくることができるとも言い換えることができます。

伝統的なヨガでは真言であるマントラを念じることによってこの作業を行います。

マントラとは宇宙の真理とつながる方法とされるからです。

ハーブヨガではマントラのワークは言葉にエネルギーを与えるKotodama Workの範疇に入るため、クラスの最初ではマントラは行いません(※)。

 

Tune-inと姿勢美法はマントラに入る以前の準備のための基礎作りとして行うメソッドです。

そして、基礎だからこそ、とても大事なものになります。

Tune-inでは自然を観察することを通じて、自分の波を観察し、世界の波とつながっていきます。

自然を観察するといっても、いきなり海や川に出かけていくという大掛かりなものではありません。

教室に用意された花・植物の観察や、空の雲、そして月や星の観察といった自分の目で見えるものからスタートします。

特殊で非日常的な自然ではなく、普段から日常的に接しているものが持っている美を観察する事があなたの観察眼を鍛えるからです。

※マントラのワークは一般的なハーブヨガセラピークラスには含まれていません。

Tune-inの種類

Tune-inには様々な種類が存在します。

  • 香りのTune-in
  • 触覚のTune-in
  • 味覚のTune-in
  • 視覚のTune-in
  • 聴覚のTune-in

このように基本的には五感を駆使することによって行われる瞑想的な体験です。

以下では視覚のTune-in(描くTune-in)について解説しましょう。

絵を描くTune-inでの対話の仕方

Tune-inの際に、生徒は本日のお題として示された植物を無心で観察し、紙の中に書き出していきます。

例えば観葉植物であれば、その葉のつき方、根の張り方、色ツヤや軸というものをつぶさに観察し、表現していくという感覚です。

 

ハーブヨガクラスでのTune-inの題材になるものは、自然物であることが条件です。

例えば、貝殻、雲、水、植物、花、卵、ハーブ・野菜・フルーツなど。

この時にハーブヨガセラピストは花言葉やテーマが表す象徴的な意味などの知識などを持ち出すことはありません。

あくまで子どもに戻って、初めて見るものの目で観察し、表現することが大事だからです。

絵と言葉で気づきを積み重ねていく

そして、描いているうちに分かってきますが、観察して書き出していく際に色々な感情が渦巻くのを感じることになります。

まるで植物や自然が自分に語りかけているように様々な言葉が生まれ出てきます。

そこで、あなたはその言葉を書き出していってください。

『寂しい』『嬉しい』『いい天気』などどんなものでも構いません。

その言葉は対象物があなたに伝えてくれるメッセージなのですから、タブーは一切考えずに書き出していきます。

上図:健太郎が描いたTune-in

 

ここで大事なのは表現の完成に拘らないことです。

この表現の作業は何かを競う場ではないからなんですね。

ハーブヨガクラスではTune inの時間は5分から10分と決まっています。

しかし、テストではありませんから時間内に全てを完成させる必要性はありません。

自分の心に映った声にただただ正直になって、未完成でもいいので描いていくのです。

シェアをするから理解できる

そして、スケッチと言葉を5~10分ほどで書き出したら、次にそこで得られたものを皆とシェアするステップに移ります。

これは他者とのシェアを通じて、自分の内側にある感覚をより潜在意識に落とし込むために行います。

中国思想の根幹にある陰陽理論とは『足りないものは補われ、余っているは与える』ということでもあります。

視点を他者と共有することによって、まさにこれができるようになるのです。

上図:Tune-inを通じて感じたことについてシェアをしている様子

 

なぜ、シェアをするのかというと、あなたの内側にある視点を共有することで、さらに自分を知り、そして他者を知り、それが大きな気付きになるからです。

ここではあなたの好きなようにシェアをしてかまいません。

ただし、講師を含めて周りの人々に評価されたいと思っては練習にならないので注意しましょう。

Tune-inは「褒められる」ために行うものではありません。

子供は褒められたいがために絵を描くのではないからです。

目の前にある現象の面白さに夢中になって、もはや没我の境地に至っているからです。

私たちもそれにならい、評価され合い・褒められたいという心をできるだけ捨ててみましょう。

上手くシェアができないと思う時は?

ここでもし、あなたの内側に恥ずかしがったり、躊躇してしまうならば、それはあなたに素晴らしいワークを与えます。

なぜかというと、「子供なれない」と思うその背景には、「自分はこうでなくてはならない」ということへの強い執着や、或いは弱さへの恐怖があるからです。

それは、自分に対する過度の信頼や期待が隠されています。

場合によっては、「私には何の価値もない」という無価値観が隠されていることもあるでしょう。

これらの感覚があることは決して悪いことではありませんし、誰でもある一定以上は持っているものです。

しかし、その牢獄にあなたの内なる子供を置いてけぼりにしてはいけないのです。

牢屋の鍵を開けて、あなたのもとに手繰り寄せ、いっしょに遊んであげましょう。

このように他者とのコミュニケーションの中で、無自覚に形成していた『私』(我)という名の牢獄に向き合うことができるのもTune-inの特徴であるといえるのです。

 

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

セラピストに必要な2つの「見る力」【ヨガ指導・セラピー施術を向上させるクレドサークル 第3回】

クレドベーシックの第3項

本日のクレドサークルのお題は、クレドベーシックの第3項について。

本日はクレドベーシックの第二条について解説していきます。

クレドのベーシック第3条
3.『気づきのスパイラルの5つのステップ』は国際ハーブヨガ協会のサービスの基盤です。私達はこの5つのステップをサロンワークや日常の人間関係の中で常に実践します。

この中で、5つのステップと言われているのは、以下の五つです:

気づきのスパイラルの5つのステップ:

  1. 見る:子供の無垢な心で生徒さんを観察します
  2. 聞く:生徒さんに痛みや力みについて心からの質問を行います
  3. 触る:生徒さんの冷えや力みについて皮膚感覚を通じて感じ取ります
  4. 理解する:問題の背景にある可能性を分解し、何が不明確なのかを子供の瞳で発見します。
  5. 伝える:その後、生徒さんにとっても最も簡単に答えられると思える質問やインストラクションをします。

→生徒さんが反応したら、最初に戻って習慣としてその人が実践できる形になるまでこのステップを続けます。

この一つ一つのステップについて解説していくと、それだけでかなりの分量になってしまいますが、今日はこの中の「見る」についてシェアをしていきましょう。

セラピストにとって「見る」とは何か?

人間の脳は大半を見る行為に使っていると言われていますが、視覚というはとても大きな影響を与えています。

人は見た目が8割なんて本もありましたよね。

私達がセラピストとして生徒さんやクライアントさんと相対する時、最初に行うのも「見る」というステップです。

しかし、これは色んな意味のある言葉なのです。

 

1.生徒さんにTune-inをする

まず一つ目の意味は対象を子供の心で眺める作業、Tune-inをするということ。

ご存知のように、ハーブヨガクラスでは絵を描くTune-inを行います。

この中で、私達は花や貝殻などの対象に対して、子供に戻って無垢な心で観察を行います。

Tune-inとは普段では見過ごしてしまいそうな、ちょっとした色の変化や造形の歪みについて、アンテナを張り巡らせている状態です。

これと同じように、生徒さんと相対する時には、生徒さんに対してTune-inをするように心がけます。

ハーブボールSPAセラピーならクライアントさんに対してTune-inをするのです。

このことによって相手のちょっとした変化を感じられるようになります。

2.自分自身にTune-inする

そして、この「見る」というのは、相手を観察するというだけではなくて、自分自身を観察するという意味もあります。

これがハーブヨガセラピストやハーブボールSPAセラピストの行う習慣であり、特別な能力だと考えて下さい。

幼い子どもには自分自身と世界とに隔たりがないと言われています。

つまり、世界で起こっていることは、自分に起こっていること、と理解するのです。

これはTune-inで行っていることとメカニズムと全く同じものなのです。

つまり、自分が相対しているTune-inの対象物である貝殻に起きていることは、何か自分にとって何らかの意味があるんじゃないか?と考える習慣です。

生徒さんを観察すると同時に、自分自身を観察するのです。

例えば、生徒さんの表情に暗い部分があると感じたら、同じような影を自分自身が出しているのではないか?と問いかけます。

生徒さんの言葉にどことなく落ち着きがなく感じられたら、自分自身が焦っている部分がないか?と問いかけるのです。

 

私の経験ではこの「自他を同時に見る」という、このプロセスによってハーブヨガやハーブボールSPAセラピーそのものが生まれ、それが熱烈な支持を集めたのだと思っています。

このTune-inという行為は最初のうちは難しく思えるかもしれませんが、あなたが日々、Tune-inをすることによって確実に身についていきます。

Tune-inノートを付けるのもセラピストにはオススメです。

もしくは、時間の開いた時に落書きをするのでもいいのです。

Tune-inは誰でもできるようになります。

なぜなら、Tune-inは子供の時は誰だって行っていた行為だからです。

努力で得られるというよりは、思い出すことによって得られる原始的な感覚だからです。

Tune-inノートについては会員でもある千葉県市原市の「きく」さんのノートがとても素晴らしいので参考にして下さい。

 

アートとは子供の状態に戻ったものと定義するならば、これ自体がアートなのです。

アート作品の「ような」ものではなく、まさしくアートそのもの。

ご本人に直接、コツを聞いてみるのもオススメです。

KIKU先生 千葉県市原市・木更津市

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。