
ハーブヨガは体質改善をするためにハタヨガやクンダリーニヨガといったオーソドックスなヨガだけではなく、セラピーの要素を多分に参照して開発されました。
そのため、男性はもちろん、女性でも、子供でも、高齢者でも行うことができるヨガとして成立しています。
『秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ(伊藤武著/講談社アルファ文庫)』や『なぜ人は病気になるのか(上馬場和夫著/出帆新社)』という書籍によれば、(身体観としてみれば)ヨガとは体にあるマルマという生命のツボを活性化させるために存在するとされます。
[amazonjs asin=”406256856X” locale=”JP” title=”秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ (講談社+α文庫)”]ヨガのアーサナを行うことでその部位に熱を感じ、エネルギーの流れを感じ、それが体全体を拡散していく感覚をつかみ、最終的には瞑想が深まり、悟りに至るとします。
つまり、ハタヨガであれ何であれ、オーソドックスなヨガの目的としていることは悟りという極限的な心と体の状態なのですね。
しかし、これは体質改善なんていう中途半端なものを目的とした私たちには荷が重過ぎるのではないだろうか?
少なくとも、悟りなんて才能のある人しかたどり着けない境地なのではないか?と私たちは考えました。
本当に悟りのための技法がそのまま多くの人々にとって有益といえるのだろうか?
巷ではヨガの技法が一人歩き的に浸透することによって、教育体系はあいまいになり、不完全なアーサナで怪我をする人も増えています。
特に筋力の衰えてきた高年齢の方や体に柔軟性がない方が、若い男性向けに開発されたアーサナを行うのはなかなかハードルが高いと思います。
それもこれも結局、ハタヨガのアーサナが解脱という究極の状況を目的として作られたものだからなのではないだろうか?ということを2012年の「ハーブヨガでできる」という書籍では扱いました。
はっきり言ってしまえば、食事や生活習慣などの下準備ができていない人が、「これは脂肪燃焼に効くんじゃないだろうか」「腰痛改善に効くんじゃないか」と考えて、フィットネススポーツの感覚で激しいポーズに挑戦してしまうのは恐れ多いことなのだと思います。
もし、ヨガの歴史にリスペクトがあるのなら、自分自身の生活習慣を改め、行動を改めることが先です。
アーサナをとることすらおこがましいと師匠に怒られてしまうでしょう。
しかし、もはやそんな骨のある先生を探すことすら難しいのが今の時代です。
ハーブボールがあるからこそ集中力が深まる
生命力のためのヨガであるハーブヨガは苦行を行わないことを旨としています。
しかし、人間は我慢していた方が「やった感」があるため、どうしてもきついことを漫然と選択しがちです。
そのため何が何でも気持ちよくというのもまた、かなりの工夫が必要なのです。
私たちはハーブヨガを苦行にしないために、助っ人が必要だと考えました。
それがハーブです。
ハーブとは四季折々の自然の恵みそのものが顕現した姿なのです。
ハーブヨガの場合にはTune-inでの香りのハーブ、観察のハーブ、姿勢美法での壁、Kotodama Workでのワークシート、坐法でのハーブボール、リラクゼーションでの楽器、Seeding瞑想での香りのハーブなど、様々なハーブが登場します。
ハーブボールを用いてアーサナをとると、多くの人々がその心と体の変化に驚きます。
確かにハーブボールがあることでアーサナ自体はより集中力を要するものになるにもかかわらず、決して我慢している感覚を得ることがないのです。
これは自然がハーブボール等の形であなたをサポートしてくれる様子をダイレクトに感じられるからだと思います。
例えば、丹田に意識を置いて瞑想し続けるという瞑想をしたとします。
初心者の場合、10分と集中力を持続することは難しいでしょう。
しかし、ハーブボールを丹田に当てるとどうでしょう。
その気持ちよさに10分じゃ足りない、もっと深く心地よい呼吸を続けていたいと思うようになります。
ハーブボールを活用することで、まるでヨガ上級者のように「今、ここに座っていることだけで気持ち良い状態」を形成することができるんですね。
そして、この状態を繰り返していくと、ハーブボールを置かなくても、丹田に意識を払うことが常態化していきます。
結果として、ハーブボールなしでも深い瞑想ができるようになるのです。
上写真:チャクラクレンジング 丹田にハーブボールをあてて体の中心を観想します

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。