
私たちは世界中の様々な地域で自然療法を体験し学んできました。
その結果、多くの場合、古来のハーブというものは陰性=癒やしのものが多いと感じています。
陰性のハーブの目的は疲労の軽減と回復です。
その理由は古来より多くの人間は肉体労働が主であり、栄養状態も悪かったため、疲れを感じている人が殆どだったからなんですね。
どこに行くにも徒歩の社会が長く続いたのですから。
富裕階級であっても現代人よりも運動量が多かったのは間違いがないと思います。
馬に乗るといっても大変な運動量を要しますよね。
その意味で昔は活性化よりも癒やしこそがまず最初に求められていたわけですね。
しかし、現代人の運動量は極端に少ないのが実情です。
オフィスワーカーのほとんどは座って一日を過ごします。
彼らに起きているのは筋肉疲労ではなくて神経の疲労です。
これは体のエネルギーバランスが崩れることによって生じる反応です。
そのため、筋肉疲労を回復させることに特化したハーブでは限界があるのです。
東洋医学には滋養・強壮の両方をもたらす『万能薬』というものが多々あります。
それは滋養=癒し=陰性、強壮=活性化=陽性の二つの役割を発揮できる薬剤をそのように呼びます。
例えばウコンと生姜を調合した場合、滋養強壮の二つの働きが得られます。
ハーブヨガで用いるハーブボールはその万能薬のもつ陰性と陽性の働きを皮膚を通じて精神と肉体の両面にもたらすものなんですね。
癒し、活性化させる滋養強壮の働きがあるのがハーブボールなのです。
そのため、ハーブの扱いには細心の注意が必要で、場合によっては調合する作業だけでもハーブの力に圧倒されてしまうことがあります。
よって、実践者はレシピを基本的なレシピとして守り、それから自分の体質に合わせてチェックを行うことが大事です。
扱う素材にアレルギーを持っている場合は無理に用いることはせず、代替できる素材を探すようにします。
※レシピについては後ほど紹介しましょう。

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。