低体温を癒やすハーブヨガのアプローチ
低体温は万病の元
中医学では低体温は万病の根源であると言われています。
それは体を温める気血が体全身に行き渡っていない状態だからです。
低体温になると、血行も悪くなり、免疫力も低下し、疲労やアレルギー、生活習慣病(緑内障・糖尿病・高脂血症)などの多くの病気にかかりやすい状態になります。
また婦人科疾患(不妊や子宮内膜症、子宮筋腫など)は低体温や冷えと関係があるといわれています。
健康な人の基礎体温は約36.5℃で、細胞の新陳代謝が活発で、健康で、免疫力も高く、ほとんど病気をしない状態を保つことができます。
低体温の人の体温は35℃台以下ぐらいで、この場合、新陳代謝が活発ではありません。
体温が下がり、低体温になると、基礎代謝が低下するため、脂肪を燃焼しにくくなり、太りやすくなります。
低体温と疾患
体温が下がり、免疫力が低下すると、カゼなどの感染症・病気にかかりやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなります。
さらに、低体温だと、免疫力が落ちることに加え、体温が35℃になるとガン細胞が活発になるともいわれています。
低体温の症状
低体温(35℃)だと、更年期障害、新陳代謝の低下による肌のくすみ、自律神経失調症、生理不順などを招くことが考えられます。
低体温・冷えは万病の元ともいわれ、肩こり、頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、不眠などの不快症状が現れてきます。
また、かぜ等のウイルスに感染すると、通常は体温を上げてウイルスを死滅させようとしますが、低体温では内臓の温度が上がりにくく、抵抗力が弱まり、かぜが治りにくくなります。
低体温の原因
低体温の原因は生活習慣にあると考えられます。
特に、食生活の乱れが低体温の主な原因です。
私たちは、食べ物に含まれる糖質からエネルギーや熱を作り、体温を保っています。
体内で糖質をエネルギーに変える時に必要なのが、亜鉛・マグネシウム・鉄・セレンなどのミネラルとビタミンです。
しかし、ミネラル・ビタミンが不足してしまうと、食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、体温が上がらなくなり、低体温になってしまうのです。
最近は、加工精製食品の取りすぎの傾向により、脂肪・糖分の過剰摂取の反面、ミネラル・ビタミンは不足傾向にあります。
また無理なダイエットをすると、更にミネラル・ビタミンは不足してしまいます。
この食生活の乱れや無理なダイエットによるミネラル・ビタミンの不足が、低体温、生理不順、貧血などを引き起こす重要な原因になっています。
この他にも、低体温になるよくない生活習慣をあげてみます。
低体温の原因となる生活習慣の例
●冷たい食べ物や甘い食べ物の食べ過ぎ
冷たい食べ物や甘い食べ物は身体を冷やしてしまい、低体温の原因となります。
●季節はずれの野菜や果物の摂取
冬に夏の野菜や果物を食べると身体を冷やしてしまいます。夏の野菜は水分が多く、身体を冷やすからです。
●ダイエット
食べない系ダイエットをすることで、ミネラル・ビタミンのバランスが崩れています。
●冷暖房などが整っている住環境
体の体温を調節する機能が鈍くなることが低体温の原因だと考えられます。
●運動不足
運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下し、低体温の原因となります。
細胞の中にあるミトコンドリアが熱を発生させているのですが、筋肉量が多ければ、ミトコンドリアの数も多くなり、それにともなって体温が上昇すると考えられます。
●過度のストレスによる血行不良・自律神経の乱れ
最近では、過度のストレスがかかることで血行不良が起こることがあり、これも低体温の原因としてあげられます。
ホルモンバランスが乱れることで、自律神経が乱れてしまいます。
その結果、体温をコントロールすることができなくなり、低体温になることもあります。
特に女性は妊娠・出産、更年期、過度のストレスなどによって、ホルモンバランスが崩れることがあるので、お気をつけください。
●便秘
便秘になるということは、腸内でぜん動運動が行なわれていないということであり、基礎代謝も低くなります。
基礎代謝が低くなることが、冷え性や低体温の原因とも考えられます。腸内の働きを良くし、便秘を改善することが低体温改善にもつながると考えられます。
●柔軟性の欠如
体の筋肉の柔軟性が欠如すると体内に効率的に熱を伝導できなくなります。
その結果、熱のアンバランスが起こり、低体温になってしまうのです。
低体温を癒やすハーブヨガのアプローチ
ハーブヨガはホリスティックなヨガですので、以下の様々な方向からアプローチすることができます。
・体質改善の食習慣
体を温める食品や、温める食べ方というのは確かに存在します。
こちらは学べばすぐに実践できますし、特殊な食材を使うものでもありません。
教科書やワークブックを用いて日々の食習慣をコーチしていけば、低体温には十分に対応できるでしょう。
・便秘の解消
体に溜まった老廃物を効率的に排泄することができるようになれば、低体温の克服には大きく貢献します。
セッションで行うハーブヨガや日常的な食習慣を通じて、あなたの排泄習慣は一気に改善します。
多くの生徒さんが1日に3回の排便を達成しますが、そうなると冷え知らずに更に近づきます。
・ストレス管理
セッションではストレスをKotodamaコーチングやカウンセリングを通じて癒し、自分にとっての必要な気付きに変えることができます。
その結果、あなたのストレス対応には大幅な飛躍が見られるでしょう。
・姿勢美法による脱力と軸の強化
姿勢美法では脱力と軸の強化を行います。
脱力では全身の無駄な力みを解消し、気血水の循環を促進します。
多くの場合、低体温症の人は身体内での体温のアンバランスが見られますが、脱力を徹底することで一様化が進みます。
また、軸のワークを行うことで、温かい血液を隅々まで送り届けることができます。
・ハーブティによる微量元素の摂取
ハーブティには微量の必須ミネラルなどが含まれています。
低体温症になる人の多くが偏った食習慣を実践している場合が多く、どうしてもミネラル不足になります。
この時にサプリメントで補充するのではなく、日常生活から楽しんで実践できるハーブティを取り入れることで、毎日のライフスタイルに豊かさをもたらすことができます。
ミネラルが十分に摂取できるようになると、血管や血液自体の質が向上し、すみずみまで温かい血液を運ぶ込むことができるでしょう。
・ハーブボールを用いることによる全身の気血バランスの改善
これまでに1ヶ月で平均体温が1度上がった方など、ハーブヨガの実践は低体温の解消に大きく貢献します。
その秘密はハーブボールを使うことにも勿論関連しています。
ハーブボールには陽性のボールと言って、体を温める働きのボールがあります。
こちらは生姜やプライ、或いは胡椒など伝統的に体を温めるとされてきた種々のハーブをブレンドしたものです。
温めたハーブボールを冷えた部分に当てながら呼吸を深く行うだけで、交感神経のバランスがとれて、冷え性が少しずつ解消していきます。