
前回の記事では理想のスクールについて考えて頂きました。
第7回 私の失敗「私はセラピストになれないんじゃないか!?」Work07:あなたにとって「こんなスクールは嫌だ!」とは?
あなたはどんなことについて嫌だと感じ、どんなことについて憧れを感じるでしょうか?
このワークはあなたがどんな場所で学ぶと学びを宝にできるのかを示唆するものでもありますので、ぜひ、考えてみましょう!
さて、今日は私が実際に自分のスクール選びの数々の失敗から得た教訓についてお伝えしたいと思います。
まずは以下のワークについて考えてみましょう。
KW01:あなたが過去に通った学校で授業中に眠くなってしまったことはありますか?もし、ある場合にはその理由は何だったでしょうか?
このワーク、正直に考えてみてください。
別に誰かに叱られるわけでもありませんから、ご安心を。
なぜこんなワークをするのかというと、次のようなことに思い至ったからなのです。
【1.セラピー習得のための通学日程は長けりゃ身につくってもんじゃない!?】
私がスクールを運営するに当たって、まず最初に考え直したのは講座日数です。
私の場合、ヨガでもセラピーでも、どの講座受講でも数週間単位の時間を割いて通いました。
しかし、後から考えれば、「そんなに通学に時間を割かれる必要があったのか?」と疑問に思うことは多々あったのです。
連日の講座の受講中には、居眠りをしてしまったり、寝ぼけながら受講しているような時間だって正直ありました。
もちろん、私だけではなくて、周りの方もみんな同じでした。
居眠りしている位ならその分の受講料をドブに捨てたようなもんじゃない!?
その時は自分に怒っていました。
でも、講座を運営する側になってから、よく考えると、居眠りさせるような授業をする運営側にも責任があるのです。
「居眠りさせない講座運営をするにはどうしたらいいの?」
こう考えに考えました。
まず、なぜ眠くなるのかというと、知識を短期間に詰め込もうとするからです。
講師が延々と知識や理論などを何時間も語るのを聞き続けていたら、参加者はこっくりこっくりと船をこぎ始めてしまうものです。
これはやる気とか、根性とか、関心の度合いの問題ではありません。
人間の体の物理的な問題です。
でも、眠くなってしまったら、仕事をお休みしたり、お子さんを託児所やベビーシッターさんにあずけてきた参加者の努力が泡と消えます。
事実、私自身が仕事のお休みを何日もとって、子供をベビーシッターや託児所にあずけて講座に参加していたのです。
だから私は知識や理論などについての講義は、通学講座ではなくて、通信講座で極力学べるように教材を整備しました。
ネットでの動画講義やダウンロードできるテキストを充実させました。
実際の講義の風景から、理論や知識までまんべんなく学べるようにしたのです。
こうすることで、365日24時間空いた時間にいつでも学ぶことができます。
また、動画があれば講座で学んだ間だけでなくて講座受講前から講座終了後もずっと学ぶ事ができるのです。
これなら、小さなお子さんがいる方、お仕事で忙しい方、遠方にお住まいでいらっしゃるのが難しい方でも資格取得できます。
【2.徹夜の試験対策から脱するには?】
次のワークについて考えてみてください。
KW02:試験の前日に徹夜をせずに試験に臨むには、どんなことが必要ですか?
ちょっとおかしな質問です。
私自身が経験して嫌だったこと、それは60分の施術の実技試験のために徹夜で練習せざるを得なかったことです。
もっと練習する時間にゆとりがあれば、徹夜しなくても済んだのに…。
試験当日はフラフラの状態でした。
ギリギリで合格しても、本当に習得できたという満足感が低かったのです。
また、講座終了後に渡されたのは、薄い白黒のテキスト理論編と実技編の2つだけでした。
「この2つの資料だけを武器に本当に今回学んだ施術を再現することができるのだろうか?」
「講座終了後は自分の力だけでお客様を満足させ無ければいけないのに大丈夫だろうか?」
そんな不安で一杯だったんです。
だから私は、講座では詳細な施術方法を動画でもお渡しし、自信を持って何度でも正しい方法がわかるようにしたのです。
結果として、これらの仕組みは大成功!
驚くほど、スムーズに高度な施術を短期間で身に着けて頂けるようになりました。
また、サロンで施術を提供し始めた後から復習できるので、セラピストさんたちの技術がどんどん上がっていくのです。
私もこんな学校で学びたかった!と、受講者の皆さんが羨ましくなるほどです。
【3.肌感覚の指導を通じて自分の歪みと本当に気持ちいい施術だけ学ぶ】
まずは以下のワークについて考えてみましょう。
KW03:セラピーを練習するときに一番大事なことって何だと思いますか?
施術を行うツボや経絡、反射区が間違っていないことでしょうか?
それとも、施術をする時間の長さでしょうか?
私が思うに、一番大事なのは気持ちよさなんじゃないか、ということです。
いくら施術する場所が正しくても、施術する時間が適切であっても、気持ちいい施術でなければお客様はついてくれませんよね。
いくら効果があるといわれても、不快なセラピーはリピートしません。
あるお客様は、「先日、〇〇施術に行ったんだけど、やっぱり、気持ちよくないし眠れないからリピートしないのよね。効果はあるんだろうけど・・・
「ハーブボールの施術は、本当、気持ちいいし、何より眠れる。これが最高なの」
この言葉を頂いた時、本当、その通り!と手を打ち感謝しました。
そして、いくら良いものでも続かないものは結果として効果など出ないのです。
しかし、私が受講したスクールの場合、試験の尺度は先生が遠くから見て、施術の部位は正しいか、施術の時間配分は適切かを計っているだけでした。
受け手側(お客様役の人)の意見など求められていませんでした。
受け手役をやりつつ、私は「全然気持ちよくないんだけどな~。」と心の中で思い続けていました。
これではプロとしてどころか、家族に行うことすら難しいんじゃないかと思ったものです。
そこで、私は施術者としての一番大切な部分である「お客様の気持ちよさ」を引き出す施術方法を身に着けられる講座内容にしよう!と決意しました。
自分自身が講座の中で、どのような施術が心地よくて、どのようにされたらダメか、と実技の練習を通じて肌で理解できるように、参加者同士のコミュニケーションを一番の尺度にしています。
「気持ちいいですか?」→「想像以上にとっても気持ちいいです!」
「これはどうですか?」→「ちょっと、強すぎます」
という風に会話をしながら、自分の施術の内容を吟味できるようにしました。
どんな時でも、「お客様の気持ちよさを一番に考えた施術」「心地よくて眠ってしまうこと必須の施術」
これこそがハーブボールSPAセラピーのスタンダードだからです。
その結果、付け焼き刃ではない本当の技術が身につくのです。
講座を受講された一人ひとりの方が家庭でハーブボールの知恵を活かし、自分のサロン活動の中でハーブボールの素晴らしさを伝え感動を頂けるようになったとの声を頂いているのです。
このように私は、これまで自分自身が受けた学びやサービスについて「これは嫌だ」と思ったことを自分の仕事の中で意識的に生まれ変わらせて提供してきました。
自分の嫌だ!という感情の中にこそ、他の多くの方に届く素晴らしいサービスの革新があると信じているからです。
だから、今日は以下のワークをご用意しました。
【Work08:嫌という感情があなたを前進させる】
- サロンワークをするうえで「これだけは嫌だ」という要素を書き出してみましょう。
- その要素を極力減らすことは可能か工夫してみましょう。
このワークは自分の好きなことやしたいことを探す以上に大きな効果があります。
なぜかというと、人は知らず知らずのうちに自分の嫌なことを我慢してしまうからです。
でも、理想を追い求めるなら無益な我慢は禁物なのです。
それでは今日のワークはこれまで。
国際ハーブボール協会
宗 冨美江

国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。