Q:ある生徒さんが坐骨神経痛があるとおっしゃっています。私はどのように対応すべきでしょうか?
今日はこの問いについて考えていきたいと思います。
まず、生徒さんがおっしゃる坐骨神経痛とは何か?
これはあくまで「言葉」です。
言葉はあくまでその人が認識するための名前であって、そこに実体があることを保証するものではありません。
そして、私達の使う「言葉」とは100%信頼できるものなのか?というと、そうとはいえません。
じゃあ、どうすればいいのか?について、過去の宗冨美江のメルマガからヒントをお伝えしたいと思います。
※こちらの記事は2014年3月17日に配信されたものです。
***********引用開始
本日のテーマは「言葉を鵜呑みにしない」です。
これは、多くの方があまりにも「言葉のみ」の情報で苦しんだり、葛藤を得たりしている様をみて私がアドバイスすることです。
なぜなら、多くの人は自分自身に深く向き合ってから言葉を出しているわけではないからです。
セラピストが生徒さん・クライアントさんから「当てにできる言葉」、もっと言えば、「その人の本心にあたるもの」を相手に吐いてもらうためには一定のプロセスが必要です。
そして、そもそも本当に自分自身の中でぶれない「言葉」を吐けるようになるにも一定のプロセスが必要なのです。
東洋ではそのような言葉を肚(ハラ)から出た言葉と言っています。
こだわりを捨てて、脱力している状態で、内側から熱と共に出てきた言葉がハラから出た言葉です。
しかし、多くの場合、私たちは、自分に向き合う作業もしない状態で、自分を守るために、あるいは自分を飾るために言葉を吐いてしまいます。
ですから、私たちはそのような言葉をいちいち当てにして振り回されていてはいけないのです。
「私のことを『一生愛する』と誓ってくれた。」とか。
「自分がこれとこれとあれができるようになったら、結婚する」とか。
逆に、「おまえのことは愛していないから、好きにしろ」とか。
多くの人が知っているように、言葉だけを当てにしてはいけません。
言葉なんて、状況の一側面しか写していません。
本当の言葉はどこにあるかというと、体にあります。
空間の中にあります。
その場の気の体の感応の中にあるのです。
その場の感覚と感情にTune-inする力こそが本物の言葉を引き出します。
あるいは、Tune-inを磨くことによって、言葉の背景にあるものを見いだすことができるのです。
大乗仏教の般若心経(下の写真)では色即是空と説きます。
どのようなものも固定的なものは何一つありません。
違う言い方をするなら、諸行無常なのです。
言葉ですらもそれは同じなのです。
しかし、言葉に何の意味もないといっているのではありません。
言葉もまた、中立的なものなのです。
状況に応じて、出てくる言葉にも、言葉通りの意味ではなく、あなたがそこに与える意味こそが大切になってくるのです。
じゃあ、どのように対応すればいいのでしょうか?
簡単に言えば、生徒さん・クライアントさんの内側にいる子供が何かを伝えていると考えると分かりやすいと思います。
上図:生徒さん・クライアントさんの内側にいる子供を観想しよう
子供が何かを訴えているとき、情報が間違っていたとして子供に責任はありません。
まだまだ自分自身を表現することに慣れていないからです。
そして、子供だと嘘を言っていても許せます。
これと同じように、生徒さんの内側にいる子供を観想し、その子供の伝えたいことは何だろうか?と受け止めるのです。
子育てをした経験があるなら、子供の言葉ほど当てにならないものはないことを知っていると思います。
「元気だよ」と言っているのに、熱が高かったりします。
ですから親は子供が言っている言葉のみを当てにしません。
親は「本当にそうなのかな」と、額に手を当てます。
そして、顔色や姿勢や表情や声色や周りの様子を観察して、状況を判断するのです。
実を言うと、相手を子供であるように考え、対話するというのは生徒さんやクライアントさんだけに行うことではありません。
特に家族やパートナーシップの間でこそ行うことが、これからの時代にあなたの愛を鍛えることにつながります。
言葉だけを当てにすることは、固定的で限定的な責任の押しつけ合いを促す関係性を加速させます。
必ず、「いった」「いわない」で争うことになるでしょう。
だから、感応場の中の相手と自分の感覚と感情にフォーカスして本当の言葉を見つけてください。
*************引用終わり
以上のポイントを押さえた時に、私達は生徒さんが口にする
- 痛みがあるんです
- 症状があるんです
- 病気なんです
といった言葉にどのような姿勢を保つべきでしょうか?
そして、どのように対処すべきでしょうか?
考えてみましょう。
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国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。