お釈迦様でもわからないこと!?

お釈迦様でもわからないこと!?

生徒さんから「最近便秘なんですけども、これはハーブヨガをやってるのが原因なんでしょうか」と聞かれた場合、あなたはどのように対応すればいいでしょうか?

私達、ハーブヨガの指導者は「その原因はこうですね」ということを伝えることはしません。

他の先生がそのようなことをしていて、例え立派そうに見えたとしても、私達はその轍を踏んではなりません。

人間の心身の機能はあまりに複雑です。

よって何が本当の原因かどうかはおそらくお釈迦様でも完全にはわからないでしょう。

お釈迦様なら分かるだろうと思うのかもしれませんが、人間の体は複雑系です。

お釈迦様でも文字通り完全にはわからないと言えます。

「どんなに素晴らしい人であっても、私の心と体のことは完全にはわからない」

あなたはそれぐらいに思わなければいけません。

どこかに分かっている人がいると思ってはいけないのです。

「私の心と体を完全にわかってくれる人がいる」と思うのなら、それは依存を生み出しているだけです。

なぜ、お釈迦様でも分からないのか?

その理由は、私たちが囲まれている砂嵐はあまりに巨大で多重になっているからです。

その結果、何が原因でその砂嵐のうねりが生まれているのか、もはや誰にもわからないのです。

このように「分からない」からこそ、私たちは生徒さんを診断・分析・評価をしないのです。

息子の小児喘息から学んだこと

例えば、私達の子供の小児喘息の治癒体験の話をさせてください。

私達の子供は生後の3年間ぐらい、小児喘息を患っていました。

一旦、劇的に良くなったのは、日本の自然療法をベースにしたハーブの力のおかげでした。

そして、同時に食生活も大きく変えたことも貢献しました。

玄米粥を食べたり、根菜類を多く食べたりということで、息子の調子もかなり安定したのです。

しかし、突然、また嵐のように咳をするようになってしまったんです。

「何でこんなことが起こるんだろう」と私たちは混乱しました。

なぜかというと、

・素晴らしいハーブの調合で手当てを定期的にしている
・食生活も気を付けている
・睡眠もしっかりとって生活習慣にも気配っている

と言うことなしの、健康的な生活をしていたからです。

今でこそ分かるのですが、その原因はおそらく「親である私達があまりにも働き過ぎていた」ということでした。

私たちはバンコクにサロンを始めるためにウェブサイトを作ったり、コンセプトを作ったりと、夫婦で一生懸命に考えていました。

24時間、心はバンコクのサロンにあったわけです。

実際に土日に子供を預けて大学の図書館の一室でコンセプトづくりをしていたこともありました。

まさに無我夢中です。

こういうライフスタイルは異常といえば異常なのかもしれません。

しかし、その時の自分たちにとってみれば、体のことなんだから食生活とかハーブとかそういったもので治るだろうって思っていたんですね。

だから、息子の調子が悪くなった時には「どんな体へのアプローチが必要なんだろう?」と自問するわけです。

 

体の側面にしか自分自身の視点がないわけですから、そもそも質問自体が間違っていたわけなんですね。

それでは適切な答えは絶対にでてこないんです。

しかし、この時に「子供さんの疾患は、あなた達が働き過ぎているからですよ」と分かる人はなかなかいないと思います。

これはもし、その人が私たちと一緒に暮らしていたとしても分からないと思います。

「答え」をアドバイスすることで生まれる落とし穴

或いは、百歩譲って、それが分かったとして、私たちにその答えをアドバイスしたとしても意味がないのです。

それはなぜかというと、自分の人生に本当の意味で責任をとるというのは、私達が息子に対する愛情や時間のかけ方について、「あぁ、ここが足りなかったんだ」と自分自身で気づいて発見して、そしてそのバランスを自分でとろうとする姿勢なのです。

そして、そのための習慣を試行錯誤しながら身に着けていくことの方が、正解を上から頂くことより、よっぽど自分の運命にとって揺るぎないものになるのです

もし、生徒さんの悩みを解決するための「正解」が分かったとしても、それを上から教えるだけでは一笑にふされて素通りされるか、「カチン」と来て終わりになってしまうかが関の山です。

或いは、逆に生徒さんが「なるほど、目からうろこが落ちました!」なんて言って、素直に信じて実行してしまうことも恐ろしいことです。

それはなぜかというと、依存を生んでしまい、自分の頭で考えない人を育ててしまうからです。

確かに一瞬、症状が奇跡といえるほどに解消するかもしれません。

その結果を見て、あなたは鼻高々になるかもしれません。

しかし、そうなると地獄の始まりです。

あなたなしには何も考えられなくなるからです。

生徒さんにあなたを介して何か答えみたいなものを得られるという「奇跡体験」をさせてしまったら、それは生徒さんの自立を阻害することになります。

生徒さんが自立することとは、ハーブヨガのクレドにもあるように「目の前に起こる全てのことをハーブとして発見し、祝福できるようになること」です。

目の前の現象に目を向けずに、外部に頼ろうとする人を育てることはハーブヨガの姿勢からは最も遠いものなのです。

そして、これは大事なことですが、このような依存関係を築いてしまうということは、答えを待ち望んでいる生徒さんだけが奴隷の状況になっているのではなく、指導者の側もまた奴隷になっているのです。

答えを与えられる指導者は「私はエキスパートとして、何かを生徒さんに与えている」という感覚があるかもしれません。

しかし、あなたは「尊敬されたい」「自己実現をしたい」という個人的な欲求に繋がれてしまっているだけなのです。

これこそがタロットカードの悪魔のカードの状態です。

指導者の多くが気づかないうちに、いや、自ら進んで自分と生徒さんの首に首輪をかけてしまうのです。

ハーブヨガの指導者だけが人生の主人公なのではありません。

他の人は脇役を生きろというのでもありません。

あなたに関わっている全ての人が人生の主人公であるように生きるように、あなたは行動しなければいけないのです。

それが「ハーブ」という状況でもあります。

自分だけがスポットライトを浴びていればそれでいいなんていうのは、光を他者から収奪しているだけなのです。

指導者はどうしても責任が問われます。

その責任とは生徒さん、クライアントさんが自分自身の人生を主役として感じるためにできることをしているか?にかかっているのです。

 

質問をされた場合の対処法

では、そのような依存を求めている質問をされた場合にどのように対処するかというと技術があります。

生徒さんの質問について無視していればいいというものではありません。

例えば、心身の不調についての質問をされた場合には添付Aのような1週間のライフスタイルについて考えるワークシートをお渡しして、考えてもらいます。

それにそって、一つ一つの要素について質問していくのです。

人間は3大欲求に大きく影響されますから、睡眠、排泄、食事、性愛(スキンシップ)について質問を淡々としていきます。

もし、あなたの内側に何らかの答えについてのひらめきがあったとしても一旦は内側に留めます。

そして、こちらのエントリにも添付されているワークシート「セルフフィードバックシート」(※)を用意します。

その中では睡眠時間、食生活、トイレの習慣、性愛の習慣、職場や環境の変化と生徒さん自身に考えてもらいます。

ワークシートを使って一つ一つの習慣の背景について考えていきます。

これは生徒さんが自分自身の体や自分自身の人生に愛情をかけているかどうかをチェックすることになるのです。

自分の持っている習慣と対話し、体の波との対話することによって、自分の人生の主人公になれるのですから必須のプロセスとも言えるでしょう。

これはいかなる疾患でも、いかなるお悩みでも同じように対処します。

私達指導者は生徒さんがどんな風に自分の習慣に愛情をかけているのか、体に愛情をかけているのか、それを発見する習慣を応援するしかありません。

「私はどんなふうに生きるべきだろうか?」
「私は何を理想として考えているのだろうか?」

生徒さんの永遠の自問自答を応援しましょう。

自問自答こそ、主人公がやることだからです。

今まで、洋の東西を問わず、体の専門家であるお医者さんはどうしても上から下に診断を下すという形でクライアントさんに接してきました。

しかし、これからの時代はそれも変わっていくでしょう。

ひとりひとりが人生の主人公として、自分の体のこと、自分の敏感さ、自分自身が感じる力、それらを鍛えて、自分自身でその今私の体が起きていることはなんだろう、このビジョンは一体どんなトーリーを私に与えてくれているのだろうと考えて行動するように促していくことが求められるようになるでしょう。

その先駆けとなるのがハーブヨガの指導者だと信じています。

>>セルフフィードバックシートは以下のリンクより入手できます

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国際ハーブヨガ協会の公式アカウントです。宗冨美江(Fumie MUne)と宗健太郎(Kentaro Mune)による共同執筆の記事となります。

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